太陽光発電の「効率」とは何?知っておきたい効率をアップする方法
太陽光発電システムは、太陽光エネルギーを電気に変換するクリーンなエネルギー源として注目を集めています。また、近年の電気代の高騰を受け、電気代の節約手段としても太陽光発電システムを検討する方が増えてきています。
そんな時に気になるのが、太陽光発電の「効率」です。せっかく太陽光を設置するなら、効率よく、たくさん発電したいものです。今回は太陽光発電の効率について、解説していきます。
太陽光の「変換効率」「発電効率」とは?
太陽光発電システムでよく耳にする「変換効率」と「発電効率」。一見同じように聞こえますが、実は異なる概念を表します。
太陽光の「変換効率」とは、太陽光エネルギーを太陽光パネルで受け取り、それを電力に変換する際の効率性を指します。具体的には、太陽光パネルが受け取った太陽光のうち、実際に電力に変換される割合を示します。この変換効率の数字が高い方が、受け取った太陽光からより多くの電気を作ることができます。
一方、「発電効率」とは、太陽光パネルが受け取った太陽光のうち、最終的に電力として出力される割合を示す指標です。つまり、変換効率は太陽光パネルで受け取った太陽光を電力に変換するプロセスの効率性を指し、発電効率は太陽光エネルギーをどれだけ電力にして出力できるかを示します。
両者は同じ太陽光発電の性能を評価する際に重要な指標で、厳密に言うと意味は異なるのですが、実際は「変換効率」「発電効率」は同じような意味合いで使われていることが多いです。
太陽光から得た光エネルギーは、100%電力に変換できるわけではなく、現在、実際に電力に変換できるのは約20%と言われています。
太陽光の発電効率が落ちる原因
太陽光発電システムの発電効率は、さまざまな要因によって低下する可能性があります。以下に、主な原因と対策をご紹介します。
太陽光パネルの劣化
太陽光パネルは、設置後徐々に性能が低下します。時間と共に太陽光パネルのセルやフレームなどが劣化していき、効率が低下することがあります。
太陽光パネルの汚れ
汚れやほこり、鳥の糞などがパネル表面を覆うと、太陽光の吸収量が減少し発電効率が低下します。また、太陽光パネルの一部が局所的に高温になる現象を「ホットスポット」と呼び、発電効率の低下や火災などの危険性を伴います。鳥の糞や木の葉が長い間太陽光パネルの上に落ちたままの状態が続くことも、ホットスポットの原因となるので、注意が必要です。
気象条件
太陽光発電は、雨や雪のような太陽が出ていない気象条件では、発電することができません。また、天候だけでなく、真夏の高温のような気温によっても発電効率の低下が起こることもあります。
影の影響
木の影や建物の影など、太陽光パネルに影がかかってしまうと、影になっている部分では太陽光を吸収することができなくなるので、発電効率が下がります。
システム全体のトラブル
太陽光発電は、太陽光パネルだけで行っているわけでがありません。パワーコンディショナーなどのシステム機器の故障も、発電効率の低下につながります。
太陽光の発電効率をアップさせるためには
太陽光発電システムの効率をアップさせ、より多くの電力を得るためには、いくつかポイントがあります。特にこれから太陽光の設置をする場合は、以下のことをしっかりと頭に入れておきましょう。
設置場所の選定
日当たりの良い南向きに設置するのが一番の条件です。時間によって、建物や樹木などの影の影響を受けることもあるので、1日を通してずっと日が当たる場所に設置するのがベストです。設置場所はとても大事なポイントなので、設置をする際には施工業者とよく相談してから決めましょう。
高効率なパネルを選ぶ
太陽光パネルの品質の良さと、発電効率は比例すると思って良いでしょう。
高い変換効率で、温度上昇による出力低下が少なく、信頼できるメーカーのパネルを選びましょう。
定期的なメンテナンス
パネル表面の汚れやほこりを定期的に清掃し、影を落とす物体を取り除くことで、太陽光の吸収量を最大限に保ちます。定期点検は4年に1回以上の頻度で行い、トラブルには早急に対処することで、太陽光発電を長く安全に使うことができます。また、メンテナンスを行う際には自分で行うのではなく、専門業者に依頼するのが安全で確実です。
発電モニターをチェックする
毎日ずっと見ている必要はありませんが、日ごろから発電モニターをチェックしていると、発電量の低下に早く気付くことができ、早めに対応することができます。
まとめ
太陽光による効率的な発電は、これから設置をする方にとっても、既に設置している方にとってもとても気になるポイントです。
太陽光発電効率は、さまざまな要因によって低下する可能性があります。
太陽光発電システムの効率をアップさせるためには、設置場所の選定、高効率なパネルの選択、定期的なメンテナンス、発電モニターの活用などさまざまな方法があります。これらの適切な対策を講じて、太陽光発電システムを最大限に活用しましょう。
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