太陽光パネルの重さに屋根は耐えられる?
新築の家に太陽光パネルを設置する場合にはさほど気にならないかもしれませんが、既存の家に後付けで太陽光パネルを設置する場合、
「屋根の上に太陽光パネルを設置して、屋根(家)は重さに耐えられるのだろうか…」
と心配になる方もいるかと思います。
今回は「太陽光パネルの重さに屋根は耐えられるのか?」という疑問について、解説していきたいと思います。
太陽光パネルの重さ
それではまず最初に、太陽光パネルの重さについて説明します。
太陽光パネル1枚の重さは約15kgです。メーカーによって若干重さが異なるとはいえ大きく違うことはなく、どのメーカーのパネルも15kg前後です。
住宅用太陽光発電の平均積載量は4.5kWなので、20枚前後のパネルを屋根の上に設置することになります。つまり、屋根の上に約300kgのパネルが乗ることになります。300kgというと、お米で例えるなら10kgの米が30袋。70kgの成人男性であれば4人ほど…と同程度の重さとなります。
これだけ聞くと、おそらく多くの方は
「300kgの物を屋根に乗せても大丈夫なの?」
「屋根、壊れない?」
と心配になりますよね。
果たしてそんなに重い太陽光パネルを屋根に乗せても大丈夫なのでしょうか?
太陽光パネル、屋根に乗せても大丈夫?
結論から先に言うと「(多くの場合は)パネルの重さを気にしなくても大丈夫」です。
では、その根拠にはどのようなものがあるのでしょうか?
太陽光パネルの重さは分散される
300kgという負荷が一点にかかるようであれば、屋根が壊れてしまう可能性がありますが、太陽光パネルは1枚15kgのパネルを屋根に敷き詰める形で設置します。重さは分散されるので心配しなくても大丈夫と言えます。
屋根瓦の方が重い
一般的な家で使われている”屋根瓦”。実は太陽光パネルよりも屋根瓦の方が重いのです。太陽光パネルの1㎡あたりの重さは、12~16kg。これに対して屋根瓦は材質にもよりますが、1㎡あたり約45kg。つまり家の屋根は、太陽光パネルよりもはるかに重いものが乗ることを前提に造られています。そのため、屋根瓦の重さの1/3程度の太陽光パネルが乗っても、屋根は耐えることができると言えるでしょう。
太陽光パネル設置は建築確認申請不要
国土交通省が定めた建築基準法によれば、既存建築物の屋上の太陽光パネル設置は建築確認申請不要としています。
建築確認不要だからといって、「100%安全!」とは言い切れませんが、少なくとも国土交通省は「既存建築物の屋上に太陽光パネルを設置することは、安全性の観点から見て大きな問題をもたらすものではない」と判断しているということなので、深刻な問題ではないでしょう。
太陽光パネルの重さが屋根に与える影響
このように、基本的には太陽光パネルを屋根に乗せること自体は問題が無いと言えます。そうとはいえ、約300kgのパネルを10年、20年…と乗せ続けるわけですから、実際は屋根に与える影響がゼロとは言えません。
屋根の劣化
後付けで太陽光パネルを屋根に乗せても、重さで屋根が壊れる心配はほぼありませんが、やはりダメージが全くないわけではありません。屋根にパネルの重さ分の負担をかけ続けるわけですから、屋根の劣化はどうしても避けることはできないと言えます。
耐震性の影響
屋根が重くなることによって、家のバランスが悪くなり、耐震性に影響を与えることがあります。特に築年数が経過している家の場合は、太陽光パネルの設置はまるで想定していない設計なので、そのような家の屋根にパネルを設置する場合は、信頼できる業者に現地調査をしっかりと行ってもらうことが重要と言えます。その結果、必要であれば耐震補強工事も含めて太陽光発電を導入するかどうか、再検討しましょう。
雨漏り
太陽光パネルを設置する場合、まずパネルを支える架台を屋根に取り付けますが、この時、屋根材と防水シートに穴を開けるのです。
通常、防水処理を適正にしっかり行えば、雨漏りすることはありません。しかし手抜き工事などが行われてしまうと、パネルの重さに関係なく、施工不良で雨漏りが起きてしまう可能性があります。こちらの問題に関しても、やはり重要なのは施工業者の経験と技術ということになります。
まとめ
いかがでしたか?太陽光パネルの重さが屋根に与える影響は、そこまで大きくはないということがおわかりいただけたのではないでしょうか?
太陽光パネルが重くても軽くても、問題なのは重さではなく、施工業者の質です。不十分な現地調査や不適切な施工は、後々トラブルを起こす可能性があります。
もし後付けで太陽光発電の導入を検討しているのなら、必ず複数の業者から見積もりを取りましょう。そして、最終的な契約をする前に必ずしっかりと現地調査をしてもらうことが極めて重要なステップといえるでしょう。
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