太陽光発電施設の草刈りは必要?太陽光発電施設の雑草対策
太陽光発電施設を維持するためには、さまざまなメンテナンスが必要ですが、多くの方が頭を悩ませるメンテナンスの中の一つに「雑草問題」があります。「小まめな草刈りは必要だと聞いていたけど、ここまでとは…」と溜め息をついている事業者の方もいるのではないでしょうか?今回は、太陽光発電施設の草刈りの必要性や雑草対策について解説していきます。
太陽光発電施設の草刈りとは?
まず、「太陽光発電施設の草刈りって?」と疑問に思う方もいらっしゃるでしょう。確かに家庭用の太陽光パネルは屋根の上に設置されていることがほとんどなので、草刈りの必要はありません。今回ここで言う「太陽光発電施設」とは、野立ての産業用太陽光発電施設のことを指します。
産業用の太陽光発電施設は、日当たりの良い屋外の広い敷地にたくさんのパネルを並べて発電をしています。雑草が生えていない状態であれば、安全に効率良く発電ができますが、雑草が伸びてきてしまうとさまざまな問題が起こります。そのため、草刈りが必要になってくるのです。
太陽光発電施設の草刈りの必要性
では、なぜ太陽光発電施設の草刈りが必要なのでしょうか?確かにたくさんの雑草が生い茂ると景観が悪くなることは容易に想像できますが、それ以外にも何か問題があるのでしょうか?
発電量に悪影響
太陽光発電は、パネルに太陽光が当たらないと発電できません。雑草が生い茂ってパネルに影を作ってしまうと、その部分は発電できないため、発電量の低下やホットスポットによるパネルへのダメージを招く原因となります。
パワコンのトラブル
産業用太陽光発電施設のパワコンは、一般的には1m以上のところに設置されています。しかし、雑草の中には1m以上の草丈になる種類もあります。雑草を放置したことにより、このような雑草がパワコンの内部に侵入してしまうとどうなるでしょうか?それが原因でパワコンが不具合を起こしたり、ショートすることによって火災を引き起こす可能性があります。
虫や野生動物のトラブル
産業用太陽光発電施設は広い敷地を必要とするため、自然豊かな郊外に建てられるケースが多く見られます。そのため、雑草が生い茂ってしまうと虫が大量発生したり、野生動物の活動場所になってしまうことも…。そうなってしまうと、問題は周辺地域にも及んでしまうため、近隣住民などから苦情が出ることもあります。
火災の危険
産業用太陽光発電施設は太陽光パネルがズラリと並んでいるだけに見えますが、裏には多くの電線が配線されています。雑草を放置して竹のような硬い植物が伸びると電線やパネルを損傷させることがあります。また、ネズミのような小動物がケーブルをかじって漏電を起こす恐れも。これらのことは全て火災の原因となります。
太陽光発電施設の草刈りの方法
太陽光発電施設を、ジャングルのような雑草が生い茂った最悪な状態にしないためには、こまめな草刈りや除草対策が必要です。どのような方法があるのか見てみましょう。
草刈り
やろうと思えば自力でできる対策です。自分で草刈りを行えばコストはかかりませんが、太陽光発電所は広大な敷地なので、鎌を持って手動で行うのではなく草刈機を使って行う方が現実的です。ただし、草刈機の使い方に慣れていないと、配線ケーブルなどを傷つけてしまう可能性があるので、業者に依頼した方が安全に行うことができます。また、この方法だと特に夏場は数週間おきに草刈りをする必要があります。
除草剤を撒く
草刈りよりも時間的・体力的にラクな除草対策です。今生えている雑草を枯らす薬剤、雑草が生える前に撒く薬剤などがあるます。薬剤を使うので、近隣に農地や井戸がある場合には注意が必要です。
防草シートを敷く
太陽光発電施設を建設する段階で行う対策です。最初から防草シートを敷いておけば、雑草が生えてくることを抑制することができます。
砂利を敷き詰める
一般的な家の庭でもよく見られる方法です。砂利を敷き詰めることによって、雑草が生えてくるのを抑えます。ただし、年月が経過すると砂利が土と混ざってしまうので、砂利の追加が必要になることもあります。また、砂利の間から雑草が生えてしまうこともあるので、防草シートとセットで対策を行うこともあります。
コンクリートで舗装する
太陽光発電施設を建設する敷地が借地の場合は確認が必要ですが、敷地をコンクリートで舗装するこの方法が最も効果のある雑草対策と言えます。効果が高い対策ではありますが、その分コストがかかります。
種子の吹き付け
太陽光パネルの高さを超えない草丈の植物の種子を植え付けて繁殖させ、その植物が地面を覆うことによって、草丈が高くなる雑草の繁殖を抑える方法です。使う植物の選定などは素人には難しいので、専門家に依頼します。
まとめ
産業用太陽光発電施設を安全に運営、維持していくためには、草刈りはとても重要なメンテナンスの一つです。雑草の対策については、できれば建設時に検討しておきたい内容ですが、建設後でもできる対策はあります。面倒だからと放置せず、手間やコストを考慮して、その土地に合った雑草対策をすることが大切です。
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