太陽光の発電量に影響する設置角度について
太陽光パネルで得ることの出来る電力量は、製品の性能や枚数で決まると思っていませんか?
確かに、パネルの変換効率は得られる電力量に影響を与えます。しかし、その他に太陽光パネルを設置する際の角度によっても電力量は左右されるものです。ついパネルの性能だったり、枚数にばかり気をとられがちですが、太陽光発電を導入するのなら太陽光パネルの角度についてもしっかりと考慮する必要があります。
太陽光パネルの最適な角度は?
太陽光発電では、単純に言うと太陽の光がパネルに無駄なく照射される事によって十分な電力量を得ることが出来ます。そのためには、太陽光がパネルに対して直角にあたるように設置します。この直角というのが、効率的に電力量を得る為のポイントとなります。
では、結局太陽光パネルの最適な勾配角度は何度なのかというと、全国的な平均は約30度です。ただし、これはあくまでも全国的な平均です。本当に最適な太陽光パネルの角度は、パネルを設置する方角や地域、そして季節によっても変わります。
地域によって角度はどう変わる?
太陽が直角にパネルにあたる事が、十分な電力量を得る為には重要なポイントだと上記で述べましたね。日本は小さな国ですが、その形から緯度の幅は広くなっています。そして緯度の違いは、太陽の南中高度の違いになります。緯度が高くなるほど…つまり北にいくほど太陽の南中高度は低くなり、南にいくほど反対に高くなるのです。
太陽の南中高度が高い場合、太陽光パネルは傾斜がないフラットな状態の方が効率的に発電をする事が出来ます。そして、太陽の南中高度が低いと電力量を確保するには、パネルの角度をきつくします。東北や北海道といった北にある地域は太陽光パネルの角度はきつい方が良く、九州や沖縄など南にいくと傾斜は緩やかな方が理想的という訳です。
具体的にいうと東京は33度、北海道は34.8度、沖縄で17.6度となっています。自分の住んでいる地域の角度は、独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のサイトを利用すると簡単に判明します。基本的には緯度が高いと角度はきつく、緯度が低いと角度は緩やかになります。
季節によって角度はどう変わる?
太陽光の入り方が季節によって違うのは、多くの人が体感をして分かっていることでしょう。これは、太陽の動きが季節で異なっているからなんですね。太陽は東から上り南を通って西へ沈むというのが、多くの人の中にある知識でしょう。もちろんその通りですが、太陽は毎日少しずつその動きが変わります。
夏の頃には、太陽は南の高い空を通り、冬は夏よりもずっと南中高度は低くなります。太陽の南中高度が高いほど地表には沢山の日光があたり、低いと日光はあたりにくくなります。つまり、季節によって最適な太陽光パネルの角度は違うという事です。
南中高度の高い夏の場合は、太陽光パネルの傾斜が緩やかな方が太陽光があたりやすくなります。そして南中高度の低い冬にかけては、太陽光パネルの傾斜をきつくした方があたりやすくなるという訳ですね。
方角によって角度はどう変わる?
太陽光パネルを設置するのにベストな方角は、言わずもがな南になります。北半球にある日本では、南にあたる場所が1日を通して最も陽当たりが良いのです。そのため、太陽光パネルは南側に設置する事が推奨されていますね。
しかし、どうしても南側に太陽光パネルを設置出来ないケースもあるでしょう。東側や西側に設置する場合は、日中に太陽光パネルに光があたるように南側に設置するよりも角度を緩やかにする必要があります。
様々な条件によってベストな角度は違う
上記からも分かるように、太陽光パネルは季節や設置する方角、地域になどによってベストな角度は違ってきますから、いかに電力量を得るかという事を重視するなら、毎日のように太陽光パネルの角度を変えなくていけません。もっというなら、本来は1日の中でもベストな角度は時間帯で異なると言えます。
まとめ
現在では太陽の動きを追ってパネルの角度が変わる次世代太陽光パネルも登場しています。こうした太陽光パネルでは、従来の1.5倍以上の発電量を得られるということです。ただ、費用としては非常に高額ですが、一般家庭で導入することは不可能でしょう。そのため、現在のところでは平均した電力量が得られる角度を選択する事がベストだと言えます。
太陽光パネルは、効率的に電力量を得られるかどうかが肝心です。これが毎月の電気代や売電収入に大きくかかわってきます。そのため、パネルの性能や並べる枚数だけではなく角度も慎重に決めなくてはいけません。自分の条件では、太陽光パネルを一体どの角度に設置すると良いのか、太陽光システムを設置する前の段階でよくシミュレーションをしておく必要がありますね。
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