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今から太陽光の設置をしても無駄?太陽光の売電価格の推移

2024年8月20日 売電
今から太陽光の設置をしても無駄?太陽光の売電価格の推移

太陽光発電は、クリーンエネルギーの象徴として多くの家庭や企業に普及してきました。日本では、2009年に固定価格買取制度(FIT)が導入され、初期は売電価格が高額だったため、「太陽光は儲かる!」とまで言われていました。しかし、その後は太陽光発電システムの普及が急速に進み、近年、売電価格は年々低下しています。今回は、過去の売電価格の推移、売電価格が下がる理由、そして今後の見通しについて解説します。

過去の太陽光発電の売電価格の推移

日本における太陽光発電の売電価格は、2009年に「固定価格買取制度(FIT)」が導入されたことで大きく変化しました。この制度により、発電された電力を一定期間、高い価格で買い取ることが保証されたのです。当初の売電価格は非常に高く、例えば、2009年には1kWhあたり48円という高価格でスタートしました。この高価格は、初期投資の回収を促進し、太陽光発電システムの普及を後押ししました。

その後、技術の進歩と生産コストの低下に伴い、売電価格は徐々に引き下げられていきました。2012年には42円、2014年には37円、2016年には31円(出力抑制なし)/33円(出力抑制あり)と、年々減少していきます。

最近では、2020年に21円、2022年には17円とさらに引き下げられ、2024年には16円まで低下しました。このような売電価格の下落は、新規導入者にとっては初期投資の回収が難しくなる一方で、既存のシステムを持つ人にとっては売電収入の減少を意味します。

※参照:経済産業省 資源エネルギー庁│買取価格・期間等(2012年度~2023年度)

なぜ売電価格は下がっていくのか?

太陽光発電の売電価格は毎年変わります。その価格は、さまざまな関係各所からの意見や聴取、調達価格等算定委員会による価格の提案を受け、経済産業大臣が決定します。
それではなぜ、売電価格は年々下がってしまったのでしょうか?

技術革新とコスト削減

一つの大きな要因は技術革新です。太陽光パネルの効率が向上し、生産コストが大幅に削減されました。これにより、かつては高額な初期費用が必要だった太陽光発電システムが、より安価に導入できるようになりました。その結果、売電価格も市場価格に合わせて調整され、引き下げられることになりました。

市場の競争と供給過剰

太陽光発電システムの導入が盛んになり、市場に出回るパネルの量が増加し、供給が需要を上回る状況が続いています。多くの事業者が市場に参入し、価格競争が生まれた結果、売電価格は自然と下がってしまったのです。

再エネ賦課金の負担増

再エネ賦課金(再生可能エネルギー発電促進賦課金)は、再生可能エネルギーの普及を促進するために国民が負担する費用です。電気料金の明細を見ると記載されています。この再エネ賦課金で電気の買い取りをするお金を賄っています。しかし、太陽光発電の普及により、再エネ賦課金が国民の負担増に繋がっていることは確かで、間接的に売電価格の低下に影響を与える要因として考えられています。

太陽光発電の売電価格の今後の推移

2024年、太陽光発電の売電価格は16円/kWhで、これは2023年と同価格です。そして2025年以降も、売電価格は下がることはあっても上がることは期待できない…というのが、一般論です。

「それなら今から太陽光発電システムを導入しても、得はしないね。」
と考える方もいるかもしれませんが、そうではありません。

確かにこれまで「儲かる」と言われていた太陽光発電ですが、売電価格が年々安くなっている現在では、売電収入でガッツリ稼ぐことは難しくなりました。しかし、太陽光発電システムを導入し、システムで発電した電力を自家消費することで、電気代を大幅に節約できるというメリットがあります。昼間に発電した電力を蓄電池に貯め、夜間や雨天時に利用することで、電力会社からの購入量を減らすことができます。今後は、自家消費をいかに効率的に行うかが、太陽光発電活用の鍵となるかもしれません。

まとめ

太陽光発電の売電価格は、2009年の固定価格買取制度(FIT)の導入以来、高価格でスタートし、普及を促進しました。しかし、技術革新と生産コストの低下、市場の競争激化に伴い、売電価格は年々低下してきました。2024年には1kWhあたり16円となり、これは初期の48円と比べて大幅な減少です。

今後、太陽光発電システムを導入する際には、売電収入よりも自家消費の効率化を重視することが重要です。昼間の発電電力を蓄電池に蓄え、夜間や天候の悪い時に利用することで、電力購入量を減らし、電気料金の節約が見込めます。

電気料金は今後も上がることが予想されています。
太陽光で稼ぐことは難しくなっていますが、自家消費を軸にした新しい利用方法を探ることで、電気代の節約や自然環境への貢献が期待できます。
太陽光発電を導入する際には、これらの要素を考慮し、長期的な視点で計画を立てることが重要です。

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