太陽光パネルの反射光トラブルとは?トラブルが起こりやすい例と対策
太陽光パネルのトラブルの一つに「反射光トラブル」があります。反射光トラブルとは、太陽光パネルからの光が周囲に反射し、眩しさや暑さなどの問題を引き起こす現象です。この現象はパネルの設置角度や配置によって発生しやすくなります。どのような場合に反射光トラブルが発生しやすくなるのか、そしてその防止策について解説いたします。
太陽光パネルの反射光トラブルとは?
まず反射光についてです。中学校の理科で習った「光の反射」を思い出してみてください。
光の反射は、光が物体の表面に当たり、そこから跳ね返る現象です。この現象は「反射の法則」いい、法則によれば、光が物体の表面に垂直に当たると反射光も同じ角度で跳ね返ります。つまり、光の入射角と反射角は等しいのです。
鏡のような平らでなめらかな表面では、反射がくっきりと見られます。鏡には自分の姿が映りますが、それは光の反射の結果です。
その逆で、表面がデコボコしている場合は、光は分散してさまざまな方向に跳ね返ります。(乱反射)
ではなぜ、その「光の反射」が太陽光パネルの反射光トラブルを招いているのでしょうか?
太陽光パネルの表面はみなさんご存知の通り、平らでなめらか、ツルツルです。つまり、太陽光パネルに当たった光は「反射の法則」に従い、入射角と等しい角度で反射します。
つまり、パネルの設置方位や近隣の建物との位置関係によっては、反射光が差し込むことがあるのです。
反射した太陽光が部屋に差し込むと、「眩しい」「暑い」という苦情に発展してしまうのです。
反射光トラブルが起こりやすいケース
それではどのような場合に反射光トラブルが起こりやすいのでしょうか?
太陽光パネルの設置方位が北向き
太陽光パネルは、一般的に南向きに設置することで、発電効率が高まります。そして南向きに設置された太陽光パネルの反射光は空に向かって反射します。しかし、何らかの事情で北向きに設置した場合、太陽光の反射角度が低いため、反射光は空ではなく地面に近い方向に反射し、近隣の建物に差し込む可能性が高くなります。
太陽光パネルと近隣の建物との位置関係が近い
太陽光パネルと近隣の建物との位置関係が近い場合、反射光が近隣の建物に差し込む可能性が高くなります。特に、近隣の建物が太陽光パネルよりも高い位置にある場合は、反射光の影響を受けやすくなります。
太陽光パネルの角度が急
太陽光パネルの角度が急な場合も反射角度が低くなりやすくなるので、反射光が近隣の建物に差し込む可能性が高くなります。
太陽光パネルの表面が鏡面仕上げ
太陽光パネルの表面が鏡面仕上げや高光沢の素材でできている場合、これらの表面は光を非常に効果的に反射し、周囲に眩しさをもたらす可能性が高まります。
また、太陽光パネルの反射光トラブルは、季節や時間帯によっても影響を受けます。
夏季は太陽の光が強いため、反射光がより強く反射されます。そして、朝は太陽が低い位置にあるため、反射光がより近隣の建物に差し込む可能性があります。
太陽光パネルの反射光トラブルを避けるために
今後、そこで長く生活していくことを考えると、ご近所さんとは良い関係を保ちたいものです。太陽光パネルを設置してから「こんなはずじゃなかった」と後悔しないためにも、設置前に可能な限り、トラブルを防止するための対策を講じることが重要です。
太陽光パネルの向きや角度
北面にパネルを設置すると、北側に位置する建物に反射光が差し込みやすくなります。北向きのパネル設置は一般的に適しません。設置する際には、発電量の心配だけではなく、反射光などのトラブルが起きる可能性はないか、検討する必要があります。
また角度が急な太陽光パネルも、隣家に反射光の影響を与えてしまう場合があるので、注意が必要です。
防眩効果のある太陽光パネルを選ぶ
数ある太陽光パネルの中には、眩しさを軽減させる特殊加工された太陽光パネルがあります。このようなパネルを選ぶこともトラブル回避になります。ただし、特殊加工が施されているので、パネルの値段が高いなどのデメリットもあります。
事前に業者に相談する
太陽光パネルを設置する際には、事前に業者による現地調査が入ります。業者によっては反射光トラブルを起こさないよう、反射光のシミュレーションをしてくれるところもあります。金額や保証内容、アフターフォローの充実度も大切ですが、ご近所への配慮もしてくれる業者に依頼すれば、反射光トラブルを起こす可能性は一段と下がるでしょう。
近隣住民とコミュニケーションをとる
もしかしたら、これが一番大切かもしれません。
相手との関係が良くないと、本来なら我慢できるようなちょっとしたことでも、気になってしまうかもしれません。普段から良い関係を築いて、太陽光パネル設置前に知らせておくと、工事をする際に発生する騒音のトラブル防止にもなるでしょう。
また、産業用の太陽光発電であれば、住民とコミュニケーションをとることは、より大切なポイントになります。
まとめ
太陽光パネルの反射光トラブルを防ぐためには、適切なパネルの向きや角度を選び、特殊加工が施されたパネルを検討することが重要です。また、事前に施工業者に相談し、反射光のシミュレーションを行うことでトラブルを回避できます。さらに、近隣住民とのコミュニケーションを大切にし、トラブルを未然に防ぐ努力も必要となります。
太陽光エネルギーの利用は持続可能な未来への一歩ですが、周囲の環境との調和を図ることも忘れてはいけません。
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