雪が降らない地域にお住まいの方にはピンと来ないかもしれませんが、冬の雪国は太陽光パネルの上に雪が積もってしまうことで、さまざまな問題が発生します。パネルに積もった雪を溶かしてしまえばその問題は解決するのですが、そう簡単に雪を溶かすことはできません。パネルに降り積もる雪に対してどのような対策をすれば良いのか、そもそも雪下ろしをした方が良いのかをご紹介します。

太陽光パネルに雪が積もると起こる問題

太陽光パネルに雪が積もると、雪が降らない季節にはあまり考えもしなかったような問題が起こります。どのような問題が起こるのか見ていってみましょう。

太陽光パネルの雪下ろしは必要？

さまざまなデメリットがある太陽光パネルの積雪。では、太陽光パネルの雪下ろしは必要なのでしょうか？

結論から言ってしまうと、雪が降る地域でも例年と同じレベルの積雪であれば雪下ろしは必要ありません。そもそも太陽光パネルは傾斜をつけて設置してあり、表面も強化ガラス製で滑りやすいので、雪は自然とパネル上を滑り落ちます。特に雪国の場合、地元の施工業者が設置したのであれば、その地域の事情を考慮して設置しているものです。
雪が積もってしまうと発電量が落ちるので、「少しでも早く雪をどけて発電したい」と思う気持ちはわかりますが、自分で行う雪下ろしは大きな危険が伴います。

このような理由から、雪下ろしを自分ですることはおすすめできません。
「発電量を増やすために雪下ろしをしたら、パネルを傷つけてしまった」
というようなことになってしまっては本末転倒です。もしどうしても雪下ろしをする必要がある場合は、専門の業者に依頼しましょう。
また、普段あまり雪が降らない地域の場合は、例え積雪があったとしても数cm～数十cmで、何日も何日も降り積もることはほとんどありません。雪下ろし作業自体にも慣れていませんし、数日待てばパネルの上に積もった雪は自然に落ちるので、雪下ろしの必要はありません。

また、雪の影響で太陽光発電施設が破損してしまった場合、メーカー保証や火災保険の対象となることもあります。保証対象、補償範囲などを確認しておくと安心です。

雪を溶かす太陽光パネルも

最近では雪の多い地域向けに「融雪機能付き太陽光パネル」も販売されています。これは「逆流加熱システム」というシステムを搭載したもので、電気を逆流させることによってパネルを加熱して、表面に積もっている雪を溶かすというものです。数分で発熱するので短い時間で除雪を終わらせることができます。
雪が多い地域で太陽光を導入をする場合は、このようなパネルを使うことで、積雪問題を解消することができるでしょう。

まとめ

太陽光パネルに雪が積もると発電量が減るので、すぐにでも雪をどかしたくなりますが、屋根からの落下やパネルの破損の可能性を考えると、自分では雪下ろしをせずに自然に滑り落ちるのを待った方が良さそうです。雪が多い地域の場合は、地元の施工業者に任せて積雪を想定した施工をしてもらうと良いですし、最初から融雪機能付き太陽光パネルを設置するのも対策として有効です。それらの対策を行えば、雪国でも基本的にパネルの雪下ろしをする必要はないと言えます。
万が一”想定を超える大雪”などで雪下ろしの必要性が生じた場合は、自分で雪下ろしはせずに、専門の業者に相談しましょう。