太陽光蓄電池の寿命はどのぐらい?寿命を延ばす方法はある?
光熱費の節約にもなり、非常時には発電した電気を貯めておいて夜に使うことができる太陽光蓄電池。災害などが増えている近年は、太陽光発電と並んで導入する家庭が増えてきています。太陽光パネルの寿命は20年~と言われていますが、蓄電池の寿命はどれぐらいなのかご存知ですか?今回は、太陽光蓄電池の寿命や、寿命をできるだけ延ばすポイントについて書いていきます。
太陽光蓄電池の寿命
太陽光の家庭用蓄電池の多くは、リチウムイオンバッテリーを使っています。
リチウムイオンバッテリーの蓄電池の寿命までの年数を考える際に参考にするのが「サイクル」というものです。
蓄電池の充電が「0%」の状態から「100%」にフル充電をして、また「0%」までに使い切る。この「0%→100%→0%」の1往復を「1サイクル」とカウントします。
蓄電池のおおよその寿命の目安を知りたい場合は、「1サイクル=1日」で計算すると算出できます。
現在販売されている家庭用の蓄電池は、6000~12000サイクルのものがほとんどです。
1日1サイクルという単純計算で、6000サイクルのものは約16年、12000サイクルのものは約32年もつということになります。
ただしこれはあくまでも”目安”なので、実際の使用状況や設置環境などによって変わります。
そして、太陽光蓄電池の各メーカーの保証期間のほとんどが、10年または15年です。このことからも、太陽光蓄電池の寿命は、10~15年以上と考えて良いでしょう。
寿命になった蓄電池はもう使えない?
寿命を迎えた太陽光蓄電池ですが、ある日突然使えなくなるわけではありません。つまり太陽光蓄電池における「寿命」とは、”全く使えなくなる”ということではなく、”徐々に劣化していってある一定の基準よりも劣化具合が進んだ状態になる”ということです。
スマートフォンのバッテリーをイメージしていただくとわかりやすいかもしれませんが
「充電が減るスピードが早くなってきた」
「フル充電にしてもあまりもたなくなってきた」
という状態になってからも、しばらくは使えますよね?それと同じように、太陽光蓄電池も充放電を繰り返して、これまで100%充電できていたものが、90%、80%、70%…というように蓄電容量が徐々に減っていきます。
「寿命を迎えた」といっても、あくまで”フル充電時の容量が減る”というだけであって、そのまましばらくは使い続けることができます。
そうとはいえ、充電容量が減ってしまった蓄電池では充電効率が下がってしまうので、タイミングをみて買い替えを検討しましょう。メーカーの保証期間内であれば、無料で修理・交換ができる可能性があります。蓄電池の保証期間が終わる前に、蓄電容量などをチェックすると良いでしょう。
できるだけ長く蓄電池を使うために
最近の太陽光蓄電池は価格が下がってきたとはいえ、それでもまだ高い買い物であることには変わりありません。
寿命を延ばすことができるのなら、できるだけ長く使いたいものです。そこで、寿命を延ばすためのポイントをご紹介します。
過充電・過放電を避ける
過充電とは、蓄電池の充電が100%なのにも関わらず、そのまま充電をし続けることです。これに対して過放電とは、蓄電池の充電を使い切っているのに、放電状態で長時間放置していまうことです。
太陽光蓄電池に使われているリチウムイオン電池は、過充電・過放電を繰り返すと劣化が早くなる特性があります。
つまり、「100%にフル充電して0%まで使い切る」という使い方ではなく、「80%程度に充電して20%ぐらいまで使う」という使い方をした方が、蓄電池の劣化を遅らせることができます。
一般的な家庭用蓄電池には、必要以上の充電をしないよう、そして過放電をしないように制御する機能が備わっています。ただし、リチウムイオン蓄電池の過放電については、充電残量が設定できるようになっているので、注意が必要です。
設置場所に注意する
蓄電池も一般家電と同じように、使用に適した設置場所があるので、寿命を延ばしたいのであれば、設置場所にも配慮しなければいけません。
リチウムイオン蓄電池の特性には「高温に弱い」というものもあります。建物南側の一日中直射日光が当たるような場所ではなく、建物の北側などの直射日光が当たらない場所に設置をしましょう。
どうしても日陰に設置ができない場合は、屋内設置型の蓄電池も検討しましょう。
まとめ
蓄電池の寿命の目安はサイクル数によりますが、10~15年以上と考えられます。そしてその年数が過ぎても、故障しない限りは使用すること自体は可能です。
例えば、使用歴15年を経過した時点で、70%の充電が可能なのか、50%程度しか充電ができないのかは、それまでの使い方や設置環境などで大きく変わります。
少しでも蓄電池の寿命を長くするために、蓄電池の特性を理解して、日々の使い方や設置環境などよく考えましょう。
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