太陽光発電システムの劣化は仕方ない?太陽光の劣化について
太陽光発電システムは、ソーラーエネルギーを使って発電をする「機械」なので、使っていくうちに少しずつ劣化していきます。機械である以上、経年劣化は仕方のないことですが、劣化が進むとどのようなトラブルが起こる可能性があるのか、そして劣化を遅らせる方法があるなら知っておきたいものです。今回は太陽光発電システムの劣化について解説いたします。
太陽光パネルの耐用年数と寿命
まず、太陽光パネルのパンフレットなどによく書いてある「耐用年数」ですが、これは「寿命」ではなく「法定耐用年数」を指しています。
太陽光パネルの法定耐用年数は、17年となっています。これは税法上の「減価償却資産の耐用年数」であって、パネルが稼働できなくなるまでの年数(寿命)ではありません。つまり、「17年経過したら壊れて使えなくなるかもしれない…」というわけではないのでご安心ください。ちなみに、太陽光パネルの寿命は20~25年程度と言われています。
「耐用年数」と「寿命」、なんとなく意味を混同している方もいるので注意が必要です。
太陽光発電システムが劣化するとどうなる?
前述したように太陽光パネルの寿命は20年以上ではありますが、20年間ずっと設置当初と同じ性能で発電し続けるわけではなく、徐々にではありますが劣化していきます。
それでは太陽光発電システムが劣化が進むと、どのようなことが起こるのでしょうか?
発電量の低下
太陽光パネルの劣化が進むと、発電出力の低下が起こる可能性があります。
多数の太陽光パネルメーカーの実例として、太陽光パネルの劣化率は0.27%/年とされています。つまり10年経過時の発電量は、単純計算で2.5%以上減少することになります。
パワコンの性能の劣化
パワコンについては発電開始から10年間で性能が急激に落ちると言われています。パワコンの寿命は約15年です。保証期間内であれば無料で修理や交換ができるので、定期的に点検やメンテナンスをしましょう。
太陽光パネルの劣化の原因
常に屋外の雨風にさらされ、太陽光で発電をしている太陽光パネルは、経年による劣化は避けることができません。しかしそれ以外にはどのようなことが原因で、太陽光パネルの劣化を進めてしまうのでしょうか?
太陽光パネルに積もった汚れ
太陽光パネルは屋外に設置されているため、砂埃や大気中の粉塵の蓄積はもちろん、鳥の糞や落ち葉がパネルに落ちていることもあります。特に鳥の糞や落ち葉は、ホットスポットによるパネルへのダメージを招く原因となります。また、汚れが気になってパネルの掃除をする際には、必ず専門業者に依頼しましょう。
太陽光パネルの破損
「台風で物が飛んできてパネルが割れてしまった」「カラスによる投石でパネルがひび割れした」というようなパネルの破損は、破損箇所から雨水が侵入するなどして劣化を進めてしまいます。
太陽光発電システムの劣化を防ぐ方法
太陽光発電システムは決して安い買い物ではないため、できるだけ劣化を防いでできるだけ長く使いたいものです。劣化を防ぎ、寿命を縮めない方法をいくつかご紹介します。
定期点検・メンテナンス
太陽光発電システムは、かつては「メンテナンスフリー」と謳われていましたが、現在は改正FIT法により「保守点検及び維持管理」が法的に義務付けられています。太陽光発電システムを長く安全に使い続けるためには、定期点検とメンテナンスが不可欠ということになりました。故障や破損などが保証期間内にわかれば、無料で修理や交換ができるので、最低でも4年に1回は定期点検を受けましょう。
モニターチェック
太陽光パネルの劣化が進むと、発電量の低下が認められます。毎日こまめにモニターで発電量をチェックすることで、故障や不具合を早期に発見できることがあります。
施工会社の吟味
そもそもですが、太陽光発電システムの施工業者が手抜き工事をしたり、基準を無視した設置をするなどの粗悪な仕事をしていたら元も子もありません。「激安価格」というような言葉に踊らされることなく、複数業者に見積もりを依頼したり、口コミをチェックしたりして施工会社はしっかりと吟味しましょう。
まとめ
太陽光パネルは、常に屋根の上にあって勝手に発電をしてくれているので、人によっては設置後、ほとんど気にもしていないかもしれません。しかし、こまめにモニターで発電量をチェックをしたり、定期的に点検を行うことは、不具合や故障に早く気付くことができ、劣化を食い止めることが可能です。法定耐用年数の17年どころか、平均的な寿命年数よりも長く使い続けることも夢ではありません。
「前回の点検はいつだったか」「保証期間はいつまでか」などを今一度確認して、今後は定期的に点検、メンテナンスを受けていくことが大切です。
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