太陽光パネルの台風被害の可能性は?被害に遭った場合はどうする?
近年、超大型で強い台風が来ることが珍しくなくなってきましたが、太陽光パネルを設置した方、またはこれから設置を考えている方の中には、「太陽光パネルが強風で飛ばされてしまうのではないか…?」と心配している方も多いかと思います。実際のところ、太陽光パネルの耐風性はどうなのでしょうか?また、万が一被害が出てしまった場合はどうすれば良いのでしょうか?
太陽光パネルは台風でも大丈夫?
住宅用の太陽光パネルなら屋根の上に、産業用であれば広い敷地の地面に設置する太陽光パネル。高いところや風通しの良い広い場所に設置をするので、台風が来たら強風に煽られて飛ばされてしまいそうな印象を受けるのは当然かもしれません。
このような誰でも心配になるようなことを、太陽光パネルメーカーが考慮しないわけはありません。太陽光パネルは、厳格な耐久試験をパスした製品が販売されるわけですが、各メーカーではもちろん耐風試験もしっかりと行っています。
太陽光パネル耐風圧は、JIS規格(日本産業規格)によって「風速60メートル」と決められている他、取り付けに関しても、建築基準法に基づいて、最大瞬間風速60メートルに耐えられるように設置することを定められています。
このため、各メーカーでは、風速60メートルの台風を想定した耐風試験を行ったり、機械による風圧試験を行うなど、台風を想定したさまざまな製品の耐久試験を行っています。このことからもおわかりいただけるかと思いますが、メーカーが指定する工法で取り付けられた住宅用太陽光パネルなら、基本的には台風で被害を受けてしまう心配はしなくても大丈夫でしょう。
「台風被害=強風による被害」だけではない
そうとはいえ、想定外の強さの台風が訪れることもある近年では、太陽光パネルが台風被害に遭ってしまった例もあります。
記憶に新しい令和元年の台風19号。経産省が公表している資料によると、18件の産業用太陽光発電設備に被害が出てしまいました。台風による太陽光パネルの被害といえば、強風による被害のイメージがありますが、台風19号で被害に遭った産業用太陽光発電システムのうち16件が「浸水・水没」による被害だったようです。大雨による河川の氾濫、洪水被害が多くなってきていることから、台風被害は強風だけではなく、大雨や河川の氾濫による浸水や水没の心配もしなければいけません。
また、台風の強風による被害についても、屋根にしっかりと設置されている住宅用太陽光パネルよりも、広い敷地の地面に設置されている野立ての産業用太陽光パネルの方が多く出ています。
(参照:経済産業省|令和元年台風19号における太陽電池発電設備の被害状況一覧)
太陽光パネルが台風被害に遭ってしまったら
それでは万が一、太陽光パネルが被害に遭ってしまったらどうすれば良いのでしょうか?被害別に必要な対応を挙げていきます。
飛来物によって太陽光パネルが破損してしまった
太陽光発電システムの電源をオフにし、早急に施工会社に連絡をします。運転停止後であっても感電やケガの危険があるので、パワコンや太陽光パネルに触ってはいけません。
太陽光パネルが飛散してしまった
早急に施工会社に連絡をし、撤去・回収を依頼します。例え自力で撤去・回収ができたとしても、太陽光パネルは一般のゴミとして捨てることはできず、各自治体の廃棄物担当の窓口に相談して廃棄方法について指示を仰ぐ必要があるので、業者に依頼した方がスムーズに廃棄ができます。施工会社が倒産してしまったり、連絡がつかない場合は、太陽光発電協会(JPEA)が公表している「適正処理(リサイクル)の可能な産業廃棄物中間処理業者名 一覧表」に記載されている業者に連絡し、対応を検討しましょう。
太陽光発電システムが浸水・水没してしまった
すぐさま太陽光発電システムの電源をオフにし、施工会社に連絡をします。浸水・水没してしまった太陽光発電システムは、感電の恐れがあり大変危険です。絶対に近づいてはいけません。また、周辺の人にも近づかないように呼びかけましょう。
被害に遭わないために
地震と違い、台風は前もって予測ができる自然災害です。しかも毎年台風が日本に多く来るシーズンは決まっています。特に産業用太陽光発電施設の台風被害では太陽光パネルだけではなく、架台なども被害を受けています。可能な限りこれらの破損を防止するために、台風シーズンが来る前には太陽光パネルや架台の点検やメンテナンスを行いましょう。
また、これから産業用太陽光発電施設の建設を検討している場合は、各自治体が出しているハザードマップなどを必ず確認し、浸水想定区域には建設しないようにする必要があります。
まとめ
住宅用の太陽光パネルは強い台風を想定した設計、設置をされているので、強風によって飛ばされてしまう危険性は低いものですが、それでもゼロではありません。そして、産業用の太陽光発電施設は住宅用以上に台風を警戒する必要があります。台風シーズン前にはしっかりと点検をし、最悪な事態をできるだけ回避するよう対策を講じましょう。
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