どんな費用が必要?太陽光発電の維持費
太陽光発電システムは、初期の設置費用以外にもさまざまな維持費がかかることをご存知ですか?太陽光発電システムの維持費は、常に安定した発電を維持するために必要となる経費なので、カットすることができません。設置した後に「こんなに維持費がかかると思わなかった!」と驚くことがないように、維持費としてどのような費用が発生するのか、維持費は売電収入でペイできるのか、などを解説していきます。
太陽光発電システムにかかる維持費
太陽光発電システムを維持するためには、以下のような費用がかかります。
パワーコンディショナーの交換費用
太陽光で発電した電気を、家庭で使えるように変換してくれるパワーコンディショナー(以下パワコン)。太陽光パネルの寿命が20年以上と言われているのに対して、パワコンの寿命は10~15年と言われています。パワコンが故障してしまうと、せっかく発電した電力が使えなくなってしまうため、修理、交換する必要があります。
交換費用の目安は、一般的な住宅用のパワコン1台で20万円程度と言われていますが、今後の太陽光発電システムの普及状況によっては、もっと安くなる可能性があります。
また、最近はパワコンの保証期間を15年に設定しているメーカーも増えてきています。メーカー保証期間内であれば、無償で修理、交換ができるので、「パワコンの調子が悪いな」と感じたら、必ずメーカー保証の期間を確認しましょう。
ソーラーパネルの清掃費用
基本的に、太陽光のソーラーパネルの汚れは、雨によって落ちるようになってはいるものの、長年使っていると砂埃や時には鳥のフンなどで汚れてくるものです。汚れたままのパネルでは発電効率が悪くなるため、定期的な清掃が必要になります。自分で掃除をする場合は、掃除用具を揃えれば清掃費用はかかりませんが、屋根の上で行う高所作業となるので素人には危険です。一般的にはパネル専用の清掃業者に依頼をすることになりますが、その費用は3~5万円程度が相場となっています。
定期点検費用
太陽光発電システムは、4年に1回以上の定期点検をすることが推奨されています。販売・施工会社によっては無料で行ってくれるところもありますが、実費となる場合は1~2万円の費用がかかります。
修理費用
太陽光発電システムの保証には「出力保証」と「システム保証」というものがあります。
出力保証は、保証期間内に太陽光パネルの発電量が規定値に満たなくなった場合、無料でモジュールの修理、交換ができます。
システム保証は、周辺機器の故障などに対応するものです。
いずれも保証期間内であれば、費用はかかりませんが、保証期間が過ぎてしまったり、条件があてはまらなかった場合は実費を支払うことになります。
税金
忘れてはいけないのが税金です。
売電によって得た利益が年間20万円以上になった場合は、所得税の課税対象となります。注意しなくてはいけないのは、課税対象はあくまでも「売電による”利益”が20万円を超えた場合」ということです。簡単に言うと、「売電収入-必要経費(減価償却費、維持費)」が20万円にならなければ申告不要なので税金はかかりません。一般的な住宅用のものであれば、20万円以上にならないことがほとんどです。
また、太陽光発電は固定資産税の対象になります。その額は業務用のように大規模なものでない限り、年間で1万円以下というのが相場となっています。
いずれも「よくわからない」という場合は、税務署や税理士に相談してみると良いでしょう。
売電収入で初期費用と維持費はペイできる?
「売電収入で儲けたい、元を取りたい」と考える人は多いでしょう。かつては、太陽光の売電収入で儲けることも可能でしたが、電力の買取価格は年々引き下げられており、2019年には24円(出力制御対応機器設置義務あり:26円)となっています。一般的な住宅用で大きく儲けることは難しくなってきました。
各家庭の発電量や電力使用量、生活スタイルなどで売電収入額が異なるので、必ずしもすぐに元が取れるとは限りませんが、毎月の電気代が減るのは確実です。太陽光パネルの寿命が20年以上ということを考えると、長い目で見れば少なくとも初期費用と維持費はペイできるのではないでしょうか?
廃棄をするにもお金がかかる
太陽光パネルは、20年、30年という長い間使うことができるので忘れがちですが、最後の最後、廃棄をする際にもお金がかかります。現在は廃棄するためには、20万円程度の費用がかかります。最後の維持費として、廃棄時の費用についても頭の隅に置いておきましょう。
また、廃棄以外にも引っ越しやその他の理由で、撤去や再設置をする場合にも費用がかかることを覚えておきましょう。
まとめ
このように、太陽光発電システムにはさまざまな維持費がかかります。ただし、毎年毎年何万円もかかるわけではなく、メーカー保証を使ったり、業者の選び方によっては、出費を抑えることが可能です。太陽光発電システムを設置を考える際には、初期費用の他にも維持費のことも考慮して検討すると良いでしょう。
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