太陽光パネルの耐用年数は?国税庁のデータは?
太陽光パネルを設置する際、その耐用年数が気になるものです。しかしながら、太陽光パネルの明確な耐用年数というものは、現段階ではまだ分かっていないのが現状となっています。よく言われているのは、20年ほどですが実際には20年が過ぎてもまだまだ稼働可能な太陽光パネルが大半だと言われています。
現在、住宅用ではありませんが、長崎県に設置されている太陽光パネルは設置から50年が経過していますがまだ現役で稼働中です。ただ、このように20年以上稼働している太陽光パネルはまだまだ少ないという事もあり、太陽光パネルの耐用年数はどうしても概算となってしまいます。そのため、太陽光パネルを設置するなら、耐用年数は今のところ20~30年と見積もっておくと良いでしょう。
法的耐用年数とは
まだまだ実際には、太陽光パネルが普及してからの歴史は浅い事もあり、国税庁であっても明確耐用年数のデータは発表されていません。ただし、国税庁では太陽光パネルの法的耐用年数というものを定めています。ここで注意をしたいのは、法的や耐用年数という事です。
法的耐用年数
法的耐用年数とは、太陽光パネル本来の製品寿命(いつまで使用出来るか)といった数字をあらわすものではありません。しかし、太陽光パネルを減価償却資産として見た時の税法上の法的な耐用年数で実際に使用可能な期間をあらわすものではありません。
減価償却資産
ここでポイントとなるのは減価償却資産というワードです。減価償却資産とは、経年劣化によりその価値が比例して減少していく資産の事です。太陽光パネルによる発電量は、経年劣化により徐々に落ちていきますから、この減価償却資産にあたります。
太陽光パネルは、耐用年数を正確に見積もる事は難しいですから、税法上では耐用年数が定めておりその年数に従い太陽光パネルの価値を年が経過するに比例して償却(減少)していかなければいけません。
太陽光パネルの法的耐用年数
一般住宅における太陽光パネルの法的耐用年数は17年に設定されています。この太陽光パネルの法的耐用年数は、実はパネルが何の目的で使用されているかによって異なってくるものです。減価償却資産の耐用年数等に関する省令別表第二のどこにあたるかが肝心です。
一般家庭の場合は、太陽光パネルは減価償却資産の耐用年数等に関する省令別表第二の「機械および装置以外のものならびに前掲の区分によらないもの」の「その他の設備」の「主として金属製のもの」に該当するため法的耐用年数は17年となります。
しかし、これが例えば自動車製造設備の発電目的で太陽光パネルを設置した場合は一般家庭の場合と違い別表第二「23 輸送用機械器具製造業用設備」の9年が適用されるのです。このように同じ太陽光パネルであっても、何に活用するかで全く法的耐用年数は違うという事が分かりますね。
発電量はどのくらい落ちる?
一般住宅用の太陽パネルでは、法的耐用年数は17年。実際の寿命は20~30年といったところです。では、実際太陽光パネルの経年劣化によりどれくらい発電量に変化があるのでしょうか。
太陽光パネルはおおよそ毎年0.25~0.5%ほど発電量が低下していくと算定されています。20年ほどで10%前後発電量が低下すると考えられますね。ですから、通常使用では法定耐用年数の17年を超えても十分に太陽光パネルは活用出来ると言るでしょう。しかし、これは太陽光パネルに限定した話しであり、太陽光システム全体となると話しはまた違ってきます。太陽光システムは、太陽光パネルだけではもちろん稼働する事は出来ません。
例えば太陽光発電システムにより生み出されたエネルギーを家庭の電化製品に使用出来るようにするためには、パワーコンディショナーという機器により直流電流から交流電流へと変換しなくてはいけません。このように太陽光パネルと同様に太陽光システムを実際に運用するために必要不可欠なパワーコンディショナーは、その耐用年数は10年ほどと短くなっています。ですから、太陽光パネルの耐用年数は20~30年以上でも、その間にパワーコンディショナーを修理したり交換したりする必要が出てきます。太陽光パネルの耐用年数がそのまま、太陽光システムの耐用年数という訳ではなく、20~30年の間にはパワーコンディショナーなどメンテナンスをしつつ活用しなければいけないのです。
太陽光パネルの明確な耐用年数を導きだすには、まだまだデータが少ないのが実情です。ですが、太陽光メーカーの保証制度やこれまで稼働を続けている太陽光パネルを見ていけば、耐用年数が20~30年というのは間違いないでしょう。もちろん、その使用環境や災害、事故などにより耐用年数は変動します。また、国税庁の定めた法律上の法的耐用年数と寿命は違うという事も覚えおきましょう。そして法的耐用年数は、太陽光パネルの活用方法によっても大きく異なります。太陽光システムを導入する際には、こうした事についても覚えておきましょう。
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