太陽光パネルの廃棄方法は?有害物質はでる?リサイクルはできる?
太陽光パネルの寿命は約20~30年と言われており、適切にメンテナンスをしながら使用すれば長く使用することができます。しかし、長寿命の太陽光パネルも永久的に使用する事が出来る訳ではなく、必ず寿命がやってきます。また、寿命を全うする前に家の建て替えなどで撤去をする必要が出てきたり、台風や地震といった自然災害の猛威によって壊れてしまったりする可能性もあるでしょう。
そうなった太陽光パネルは、一体どのように廃棄されるのか?またリサイクルは可能なのか、太陽光パネルを導入する前にここまで考えておきたいものです。また、最近では太陽光パネルの廃棄による有害物質の話も耳にするようになりました。
家計だけではなく、地球にも優しいエコクリーンエネルギーの代表とも言える太陽発電システム、そのパネルで有害物質が問題になるとは本当なのでしょうか。廃棄方法、リサイクル方法、そして有害物質の発生といった3つのポイントに焦点をあて太陽光パネルについてみていきたいと思います。
太陽光パネルの廃棄方法
太陽光パネルは、寿命になったり壊れたり、また不要になった場合は廃棄物として処分される事になります。一般ゴミとして、町内のごみ捨て場に出すなんていう事は出来ません。
太陽光パネルが廃棄物である事は間違いないのですが、誰がパネルを撤去するのかによって産業廃棄物として扱われたり、一般廃棄物として扱われたりするなど違いが出てきます。ただし、通常太陽光パネルの設置は業者に依頼をすると思いますが、同じように撤去も自分で行うという人はほとんどいないでしょう。屋根の上に登り、1枚1枚パネルを撤去する、これはかなり危険が伴いますし労力も必要ですから一般的ではありません。つまり、太陽光パネルはほとんどが産業廃棄物として処理されるという事になります。
産業廃棄物として処理場する場合、我々が行う事といえば業者へ依頼をすることのみです。他はすべて業者に委ねることが可能となります。そのため、太陽光パネルの設置者である家主はその後の過程についてはノータッチとなり、15~20万円程度の撤去・処分費用さえあれば良いということになります。
設置者の手を離れた太陽光パネルは、産業廃棄物中間処理業者などの手によってリサイクル出来る部分はリサイクルされ、その他は廃棄物として埋め立てられる事になります。これが一般的な太陽光パネルの廃棄方法となるでしょう。
ただし、太陽光パネルの一部が台風によって落下した場合など、業者へ撤去を依頼する必要性がない場合は一般廃棄物としての手続きを踏まなくてはいけません。この場合は、住んでいる自治体から指示を仰ぐのが最も適当だと言えるでしょう。しかし、最終的には産業廃棄物と同様にリサイクル&廃棄物として埋め立て処分という経過を辿る事になります。
太陽光パネルとリサイクル
今、実は太陽光パネルの廃棄についての問題が大きくとりあげられる様になってきています。というのも、このままいくと多くの太陽光パネルが寿命を迎える2030~2040年頃になると太陽光パネルの廃棄量が増えていき、ピークの2040年度にはその量が80万トンにもなると推測されているのです。
もちろんこうした問題について何も手をうっていない訳ではありません。太陽光パネルのリサイクルについての研究が進められており、現段階で太陽光パネルの95%ものリサイクル率を達成しているとのことです。ただ、このリサイクル率95%は実用段階には至っていません。
太陽光パネルは、ガラスやシリコン、電極など様々な素材の複層となっており、それぞれが強固に接着されて出来ているため、リサイクルする為には高い技術力が必要で埋め立てよりもずっと高いコストがかかってしまうのです。また、まだまだ太陽光パネルのリサイクルの仕組みや指針は明確になっていないというのも問題です。国をあげて急ピッチでこの課題に取り組んでいかなければ、エコで自然環境に優しいと言われてきた太陽光が環境相負担を招く負の遺産となりかねません。いくらリサイクル率95%を達成したといっても実用が難しかったり、その仕組みが整っていなければ意味がなくなってしまったりするでしょう。
太陽光パネルの有害物質発生問題
太陽光パネルにはカドミニウムや鉛、セレンが使用されており、それらの有害物質が廃棄場から流出する可能性が示唆されています。太陽光パネルに含まれる有害物質の情報を処分場に提供していない業者は調査対象の8割にも及ぶほどであるという報告もあります。これからますます太陽光パネルの廃棄量が増えると、汚染物質の流出防止機能が整っていない施設でも処分が行われるようになり、有害物質の流失リスクが更に高まるという懸念があります。また、災害による太陽光パネルならの有害物質の流失問題がある事も忘れてはいけません。
太陽光発電の仕組みは、エネルギー自給率が低い日本においてメリットが高い仕組みであり、クリーンなエネルギーという点でも魅力的なシステムである事に間違いはありません。ただ、導入を推し進めるだけではなく、太陽光パネルの廃棄量がピークを迎える前に国として様々な課題をクリアしていく必要があるでしょう。
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