太陽光の発電量は?月別の推移は?パネルによる比較要素は?
太陽光発電システムの有用性は、太陽光パネルでどれだけの発電量を得られるかに左右されるといっても過言ではありません。太陽光パネルで得られる発電量は、太陽の日射量や日射時間とパネル自体の性能により決定されます。そのため太陽光発電システムを導入する場合、太陽光パネルで得られる発電量についてよく知っておく必要があります。
太陽光の発電量と日射量:月別の推移は?
太陽光パネルで電気が作られる仕組みは、パネルに太陽光が照射され、それを電気へと変換する事ができるからです。つまり、太陽の光がなければどんなに性能の良い太陽光パネルを設置しても意味がありません。では、一体太陽の日射量と太陽光パネルで得られる発電量の間にはどれくらいの影響があるのでしょうか?
まず季節ごとに見ていくと、1年の中で最も発電量が多い季節は4月から5月にかけての春なのです。日射量や日射時間は、夏場の方が長いのですが太陽光パネルの発電量が最も多くなるのは5月頃となります。それは、夏場は日射量や日射時間が長くなると共に気温も高いため、太陽光パネルが高温となり機能が低下してしまうからなんですね。
季節ごとに比較してみると、やはり日射時間が短く日射量も少ない冬場が最も発電量が低くなっています。1年の中で最も発電量が多い春と比べると、その発電量は約68%ほどにしかなりません。ですから1年の中で最高と最低の発電量では、約30%以上もの増減が見られるという事になります。
もちろんこうした発電量は、季節だけではなく時間帯によっても左右されます。最も発電量が多くなる時間帯は、やはり正午ですが発電量は天候によっても違いが現れます。晴天が一番発電量は多くなりますが、曇りでも発電をしないという訳ではありません。曇りの際でも、晴天時の約半分ほどの発電量を得る事が可能です。しかし、残念ながら雨天時や降雪時には、ほとんど発電量を得る事はできません。
そのため太陽光パネルは季節は春、天候は晴天、時間帯は正午が一番発電量が多くなると言えるでしょう。
太陽光パネルの違いによる発電量の比較要素
上記のような自然要素によっても太陽光パネルの発電量は左右されますが、パネル自体の要素によっても大きく変わってきます。太陽光パネルの発電量は、出力と変換効率によって違います。
太陽光パネルの出力
太陽光パネルの出力とは、パネル1枚あたりの発電量の事です。つまり出力が大きいパネルほど発電量が多くなるという事になります。ですから太陽光パネルを導入する際には、メーカー側の公称最大出力も参考にする事が多いでしょう。
ちなみに公称最大出力とは、メーカー側がある一定条件下で測定した最大の出力の事ですから、実際の発電量の事ではありません。
太陽光パネルの変換効率
太陽光パネルの発電量は、最大出力だけではなく変換効率も考慮しなければいけません。変換効率とは、簡単に説明すると太陽光を電力にどれどけ変換する事ができるか?という事になり、この数値が大きいほど効率的に電力へ変えられるという事になります。つまり機能性が良い太陽光パネルだと言えますね。
変換効率は出力を面積で割る事で求められ、変換効率(%)=(出力÷面積)X100(%)です。
例えば同じ出力が200Wであっても、変換効率が20%のものと15%の太陽光パネルでは前者の方が性能が良いという事です。この2つの製品の場合、面積が同じ太陽光パネルなら前者の方が発電量も多くなるでしょう。しかし、価格もその分当然のように高く設定されているものです。
このように、自然現象を除いた太陽光パネルの性能自体に関する発電量は、出力と変換効率が影響をするという事になります。
パネルの種類による発電量の違い
太陽光パネルは、その素材の種類によっても発電量に多少の違いが見られるのです。現在、住宅用などに多く用いられているシリコン系には、単結晶パネルと多結晶パネルがあります。
単結晶パネルは、単一結晶でできており、変換効率もよく発電量が多いという特徴があります。それと比較すると、多結晶パネルは少し変換効率という面では劣ってしまいます。
最近ではシリコン系太陽光パネルの中でヘテロ接合パネルも人気です。ヘテロ接合パネルは、結晶パネルよりもさらに変換効率が高く、環境変化による機能の低下も少ないというメリットがあり発電量を多く得る事ができるでしょう。
また、化合物系のCISパネルは変換効率は一般的に出回っているシリコン系太陽光パネルより劣りますが、実質発電量は多いとも言われています。
太陽光パネルの劣化による発電量の変化
太陽光パネルは、その劣化や経年変化によってもその発電量は変わってきます。普通に使用していても、太陽光パネルは1年間に約0.25~0.5%ずつ発電量は低下していくのというデータがあります。
もちろん太陽光パネルの劣化には、様々な条件が影響をしますから全ての製品がこのデータ数値内に当てはまるという訳ではありません。しかし、太陽光パネルは20年30年たっても当初の80%ほどの発電量を維持している製品が多いと言われています。ただ、どうしてもずっと同じ発電量を維持する事は困難だと言えるでしょう。
こうした経年劣化による発電量は、パネルの材質によっても違ってきます。20年経過した太陽光パネルの発電量ははじめを100%とすると単結晶パネルなら85%~87%、多結晶パネルは90%前後、ヘテロ接合パネルは約92%前後、CISパネルは約94%前後に低下すると考えられます。
太陽光パネルの発電量は、こうした経年劣化についても考えておきたいものです。
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